一煎目  【白衣へのこだわり】

「なぜ白衣を着るのか?」・・・白衣を着用する職業はいくつもある。医師、看護師などの医療関係者、調理人、パティシエなどの食関係、試験管を振る研究者や学校の先生etc・・・自分も手もみ茶を作る際には必ず着用する。

白から受けるイメージは?はと聞かれれば、かなりの人が「清潔」と答えるのではないだろうか・・・もちろん自分もそうである。では、職業的に着用しなければならない人たちは、果たしてそう思って着ているのだろうか?・・・何も考えずに着ている人もあれば、自分なりの思いを込めて着ている人もいるはずである。何も考えない人はとりあえず無視して・・・ここで白という色と清潔感について考えてみると・・・白は白いから清潔だと感じるのであって、もし白衣が汚れていたら清潔だとは思わないであろう。普通に考えて、衣服というのは汚れるものである。白衣を着る職業だからといって汚れないわけではない。それなのに、なぜわざわざ汚れの目立つ白衣を着るのであろう・・・

視点を変えて・・・最近、作務衣など色の濃い着衣で調理などをするところが増えたような気がする。作務衣はもともと僧侶の作業服。料理をする場合もあるだろうが、掃除などもする。、お務めは正装でするだろう。できるだけ質素な生活をする僧侶たちにとっては、洗濯のこともあるかもしれないし、要は最初から汚れていてもよい、汚れの分かりづらい服なのかもしれない・・・そういった意味では陶芸などのシーンには見事にマッチするし、なによりも陶芸家が着るとカッコいい!!

話しを戻して・・・口に入るものを提供する人がするべき格好・・・わざわざ汚れの目立つ白衣というところががキーワード?・・・汚れても分からない濃い色に対して、どんな汚れが、いつ頃ついたかという情報が記される白衣・・・これこそ白衣を着る意味なのではないか?つまり、これで安心感が生まれるのではないか?濃い色からはそれを感じることはない・・・白衣を着る者として、着る側からではなく着て作業する人を見る側に立つと感じる意味・・・

人前でお茶を揉む・・・保存会活動をしていると、その機会は多い。手もみ茶への理解を深め、その魅力を伝えていかなければならない我々は、白衣を着用しなければならない・・・キチンと洗濯されて、パリッと糊の利いた白衣を着るのは言うまでもない・・・そして心得にもあるように、爪を短く切った傷のない綺麗な手で、優美な葉さばきを見せなければ・・・